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30プリウス査定「バンパーのズレ=修復歴」と判断する大手買取店のスキル不足の一例

車の買取査定において、最もトラブルになりやすいのが「修復歴(事故歴)」の有無です。 特に最近、大手買取チェーンなどで「スキル不足による誤診」が多発しています。
今回は、実際に査定した30プリウスを例に、素人同然の査定がいかに危険か、その手口を解説します。
誤診1:妄想でのフェンダー交換認定
他店で「フェンダー交換済み」とされた車両。 確認すべきは「取り付けボルト」です。フェンダー脱着時にはボルトに工具のトルクがかかり、角の塗装が剥げます。 しかし、この車両のボルトは完全な未回し(新車時のまま)。 物理的に交換不可能な状態であるにも関わらず、知識のない査定員は雰囲気だけで「交換」と判断し、減額対象にしていました。
誤診2:構造を無視したリア修復歴の判定
最大の問題はリア周りです。 このプリウスはリアバンパーが押され、チリ(隙間)が合っていませんでした。 大手店の判断は「バンパーがズレているから修復歴あり」。
これはプロとしてあり得ない診断です。 「修復歴」とは、日本自動車査定協会等の基準で「骨格部位の交換・修正」を指します。バンパーは骨格ではありません。
- エンドパネル(バックパネル)
- トランクフロア
バンパーの奥にある、これら骨格部分に波打ちや凹みがあって初めて「修復歴」となります。 私は当然、車体下を覗き込み、フロアの状態を確認しました。結果は「損傷なし」。 骨格が無事なら、バンパーがどれだけズレていようと「外板の瑕疵」に過ぎず、「修復歴車(事故車)」扱いでの大幅減額は不当です。
「車体下」を確認しない査定を信じないでください
骨格へのダメージを確認するには、膝をついて車体下を覗き込んだり、トランクのマットをめくる必要があります。 それすら行わず、立ったまま外見だけを見て「事故車ですね」と診断するのは、「診察もしないで病名を決める医者」と同じです。
私は、ネジ一本、鉄板一枚の状態を正確に見極めます。 「修復歴あり」と言われて諦める前に、その診断が本当に正しいのか、ぜひ当店にご相談、確認させてください。
